燐光群の屋根裏

昨日、梅ヶ丘BOXに燐光群の「屋根裏」という芝居を見に行った。
4月のツツガムシ公演に出演していただく占部房子さんが出ている。

梅ヶ丘BOXという劇場は、燐光群の所有している劇場で、
その、やや息苦しさを感じる地下空間はとても魅力的だ。
俺は舞台上手寄り、一番奥の席に座った。

その席から上を見上げると、
一階部分を見通せる開口部があり、
通りに面したガラス戸越しに、
光りやら、
通行人の会話やら、
自動車の排気音やら、
犬の吠える声やら、
いろいろ降ってくる。

完全に暗転になっても、
この開口部の真下の席だけ
少し青っぽい感じに
浮き上がっているのが
とても面白い。


さて、芝居は言わずと知れた燐光群の代表作で、
2002年の初演以来、
海外公演も含めて
繰り返し上演されている
「屋根裏」

これは俺の読み違いであるかもしれないが、
この芝居で燐光群が描こうとしているのは、
日本社会が抱えるひきこもり問題とか、
ひいては、そういう問題が引き起こされる
地盤となる日本社会そのものの
特異体質とか、
そういうこと以上に、
世界って、
あるいは自分って、
なんだか密室のようなものだなあ、
という予感とでもいうようなもの
だと感じた。

密室の中では、
人間はやりたい放題である。

心の内側ではどんなことを考えても、
外側にはどんな影響も与えない、
と、多くの人が考えるように、
密室では、何をやろうとそれは個人の自由で
それは誰にも迷惑をかけない、
と、多くの人が考えている、
のではないか?

しかし、それは思い込みで、
密室の中における異常な「生活」は、
密室をはみだして、
社会に蔓延する。

とすると、腹の中で考えていることも
知らず知らずのうちに
体外に染み出しているのではないか?

好意を寄せている同級生の女の子のことを
心の中でレイプする人間は、
どんなに憶病でも、
どんなに人がよくても、
どんなに思いやりがある人間でも、
ある状況が整えば、
同じことを
簡単に行動に移す、
ような気がする
といった嫌な予感。

世界や、内面的な自分という存在を、
「限定的な」ものと考える以上
歴史は同じところをぐるぐる回るばかりで、
そのうち人類は目を回してぶっ倒れるだろう。
「日本は滅びるよ」という言葉を
俺はそんな風に受け止めた。

ちょっと、話が終わらなくなる感じがしてきたので
このくらいにしておく。
中途半端な感じだが、
ちょろっと話して結論がでるような
生易しい作品ではないから
こういうのもいいかな。

占部さん。
必見です。

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