やや長き沈黙

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zoom RSS 岩橋道子さん

<<   作成日時 : 2017/04/27 09:39   >>

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今回の芝居にも、人との繋がりの不思議がいろいろあります。そのうちの一つを紹介したいと思います。


出演者の一人、岩橋道子さん

彼女は、僕が演劇の魅力に嵌まるきっかけになった文学座附属演劇研究所の同期生です。同期と言っても彼女は昼間部で僕は夜間部。稽古を一緒にやっていたわけではありません。ただ、稽古場は同じでしたから、昼の研究生が引き上げるころ、夜の研究生が集まり始める。そんな入れ替わりのタイミングに、ちらっと顔を合わせる。その程度の接点で、挨拶もろくにしなかった。

でも、あの、夕日の美しい四谷三丁目の稽古場で、同じ一年間を過ごしたことには変わらない。その人と、30年近い歳月を経て、今、一緒に、同じ一つの作品を創ろうとしている。しかも僕は演じ手ではなく書き手になっていて、彼女は人気劇団の看板女優になっている。これはやはりどう考えても、有り難いことのように思えます。

稽古場で、彼女が演じている姿を見ていると抑えようもなく込み上げてくるものがあります。それは、役柄や場面の問題でもなければ、彼女が俳優として技術的に成長したとか、そういう問題でもありません。
それは多分、俳優として一途に生きてきた岩橋道子という存在が、あの頃と同じ輝きを放って、そこに「ある」こと。この、当たり前と言えば当たり前の、しかし決して当たり前ではないその事実に、どうしようもなく胸を打たれるせいなんだと思います。

大きな劇場で主役を張っている彼女を、遠くから眺めるのも悪くない。でも僕は、彼女の横顔を、小さな舞台で、すぐ近くから見たかった。ツツガムシの舞台を観に来てくださる数少ないお客さんに、見つめてほしかった。ただそれだけのために、僕は彼女に台本を送りました。

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岩橋道子さん やや長き沈黙/BIGLOBEウェブリブログ
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