静けさの中の嵐


森の奥深くをさまよって
不意に
小さな湖に行き当たったとする

その湖面は
ベッドの新しいシーツのように
張り詰めていて
シワ一つない

この静けさは
湖底に何かを想像させる

古代の淡水魚
投げ捨てられた凶器
心中した男女の水死体

静かであれば
静かであるほど
想像力はたくましくなる

と、まあこんなことを
今日、稽古場で思った。

一幕の
二瓶さんと清水さんのシーンだ。

静けさの中に嵐がある
それが人生というものなのかもしれない

芝居だと分かっているのに
直視できなくなる

どうなってしまうのだろうと
目が離せなくなる

稽古場の時間は
一時間が
一分だ


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